投稿者「ICPF」のアーカイブ

知的財産 ハードディスク録画サービスと著作権

概要

昨年10月、「録画ネット」という会社に業務停止を命じる仮処分が東京地裁で言い渡されました。この会社は海外在住の日本人向けに、日本のテレビ番組を録画できるパソコンを売り、それを自社内に置いて海外から操作できるようにする「ハウジング・サービス」を行っていたのですが、それに対してNHKと在京キー局5社が、サービスの差し止めを求め、裁判所が認めたのです。
録画ネットのユーザーは、わずか250人。こんな「すきま商売」をテレビ局がそろって訴えるのは、同様の録画代行サービスが国内でも広がることを恐れているためです。しかし業者は、インターネット経由で録画の操作をしているのはユーザーであり、著作権は侵害していないと主張しています。
ハードディスクとブロードバンドが普及した今日、それを利用した便利なサービスが登場していますが、著作権上の紛争も引き起こしています。どこまでが合法なのか、また制度を見直す必要はないのか、いくつかのケースをもとに考えます。

講師:原田昌信(エフエービジョン取締役)
モデレーター:真野浩(ルート株式会社 社長) 続きを読む

ビジネス 長野県栄村にみる通信と放送の融合

概要

長野県の山間部にある栄村で、全国の放送関係者の注目する実験が行われています。地上波のテレビ放送をADSLで再送信し、家庭のテレビやパソコンで見られるようにするものです。栄村では、民放4局を見られる家庭が約1割と難視聴世帯が多いため、民放の番組をIP配信しているのです。画質的にも、普通のテレビと変わりはありません。
しかし、この実験の商用化はできません。テレビ局が地上波番組のIP配信を認めないからです。これを認めたら、栄村だけではなく、全国にADSLで番組が配信でき、現在の県域免許制が崩れてしまう「蟻の一穴」となることを恐れているのです。今回は、この実験を行ってこられた佐藤さんをまねき、その現状を紹介するとともに「通信と放送の融合」はどうすれば実現するのか、を考えます。

講師:佐藤千明(長野県協同電算ネットワーク部長)
司会:林紘一郎(情報セキュリティ大学院大学副学長)

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