番号法案の衆議院通過に関する声明

電子行政研究会では番号法案の衆議院通過を歓迎し、声明を発表するとともに、自由民主党IT戦略特命委員会(平井たくや委員長)に声明を届けました。

番号法案の衆議院通過に関する声明

2013年5月9日
電子行政研究会
副委員長 山田肇

「行政手続における特定の個人を識別するための番号(以下、「共通番号」とする)の利用等に関する法律案(略称:番号法案)」が衆議院を通過しました。電子行政研究会は、グローバルに進む情報化の中で各国に立ち遅れていたわが国の電子行政を前進させ、国民生活を向上させるための基盤として、番号法案の早期成立・施行とさらなる発展を要望します。
わが国では、ライフステージ、ライフイベントごとにさまざまな行政サービスが提供されており、個々人がこれらの行政サービスを利用する機会は決して少なくありません。例えば、子育てや介護の場面では誰もが行政サービスを利用し、行政窓口と頻繁かつ密接なやりとりを行います。共通番号(マイナンバー)はこうした手続きを円滑化し、関係者の手間や負担を軽減するばかりでなく、必要な人に必要な行政サービスを適切に提供することに貢献するものです。
行政サービスのプッシュ型案内からオンラインでの一括手続き(ワンストップ化)につながるシームレスサービスは、国民の利便性を向上させる電子行政のキラーコンテンツであり、その提供には分野横断的に利用できる共通番号と行政サービス間の連携が必要不可欠です。
乳幼児の健康診断・予防接種のように、住民が頻繁に利用し効果を実感しやすい分野から、共通番号の利用を進めていくように求めます。始めから全国実施しようとするのではなく、少数の自治体で試行し改良してから全国展開を図れば、総投資額を節約でき、国民の理解を醸成するのに役立ちます。
少子高齢化する社会で、健康・医療・介護サービスを効率よく提供していくには、共通番号を利用することが適切です。今後速やかに、健康・医療・介護分野に共通番号の利用範囲が拡大されるように期待します。
衆議院での審議過程で、給付付き税額控除に共通番号を活用するよう検討するとの附則が追加されました。今後、共通番号を利用した給付付税額控除制度が導入され、様々な分野で政策手段として活用されるよう期待します。
共通番号の実施に際して懸念される個人情報の不正利用については、特定個人情報保護委員会の設置、罰則の強化などの個人情報保護策を講じることになっていますが、その徹底を図ることが懸念を解消するために重要です。
電子行政研究会は、国民利便性の向上を基本的な視座として、わが国電子行政の発展のために引き続き調査研究・提言活動を続けていきます。