日時:3月11日(水曜日) 午後1時30分~4時50分
場所:日経カンファレンス&セミナールーム 大手町セミナールーム2
東京都千代田区大手町1-3-7 日経ビル6階
主な登壇者:
吉田昌司氏(厚生労働省老健局振興課)
川添高志氏(ケアプロ株式会社)
中平健二朗氏(日野市地域戦略室)
久住時男氏(見附市長)
シンポジウムの模様はこちらをご覧ください(外部サイトに接続されます)
日時:3月11日(水曜日) 午後1時30分~4時50分
場所:日経カンファレンス&セミナールーム 大手町セミナールーム2
東京都千代田区大手町1-3-7 日経ビル6階
主な登壇者:
吉田昌司氏(厚生労働省老健局振興課)
川添高志氏(ケアプロ株式会社)
中平健二朗氏(日野市地域戦略室)
久住時男氏(見附市長)
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日時:3月10日(火曜日) 午後6時30分~8時30分
場所:東洋大学大手町サテライト
千代田区大手町2-2-1新大手町ビル1階
司会:山田肇(東洋大学経済学部教授、ICPF理事長)
講師:増田直樹(総務省自治行政局地域情報政策室長)
松下邦彦(株式会社TKC地方公共団体事業部行政システム研究センター部長)
増田氏の資料はこちらにあります
松下氏の資料はこちらにあります
増田氏は資料を用いて、概略、次のように講演した。
松下氏は資料を用いて、概略、次のように講演した。
二つの講演後、活発に質疑応答が実施された。
総合窓口と総務事務センターについて
C(コメント):総務事務センターについて、千葉市は取り組み中である。千葉市は人口97万人で、市役所と区役所の二階建て構造だが、区でも単独の市の規模がある。この区役所分について、総務事務センターを構築中である。
Q(質問):導入による業務の時間削減効果だが、民間は業務行動を記録しているが、自治体はしていない。時間が短縮されても、他の業務に時間がとられるだけだ。時間の計測が自治体でも必要であると考え、千葉市は千葉大学と共同研究している。総務省で時間の使い方の研究をしているのか?
AM(回答、増田):大きな自治体は一つの課に二・三人の総務担当がいるので、総務事務センターをいれると当該委託分の業務量削減ができる。小さなところは一つの課に0.5人というように一人以下であって、削減がむずかしく、それが中小自治体で総務事務センターが進まない理由になっているのではないか。自治体EAのころには、事務量を具体的に測っていた。例えばそのような測定を改めて実施することもあるのではないか。
Q:同じ業務について、総合窓口なり、総務事務センターを持っているところと、同様の規模で持っていないところを比較してみてはどうか?
AM:仰るとおり。ちなみに自治体クラウドの業務量削減という点では、神奈川、北海道でなど調査される予定と聞いている。
C:人口規模5万~10万であれば標準化できるが、大規模自治体だと業務が多様化して標準化が困難。今までどおりカスタマイズになってしまう。規模別で標準化への考え方は異なるのではないか。
Q:総合窓口について、大阪では、市民が便利になったかどうかを指標化している。そちらのほうがより重要ではないか?
AM:総合窓口における住民の満足度は非常に重要な考慮すべきポイントである。今日、資料に記載していないが、それぞれの事例で満足度の調査が実施されているが、いずれも高い評価を得たと伺っている。
Q:ベンダーの役割が変わってきているのではないか? 最近は役所に非正規職員が増えて、ベンダーは運用を実質的に任されている。クラウド以上に行政コストを削減したいのであれば、ベンダーが行政サービスを提供するところまでもっていくのがよい。富士ゼロックスは戸籍システムで大きなシェアを持っており、ナレッジがベンダーに蓄積されている。
AM:総務事務センター(内部事務等)について研究会で話題になったのは、全部を外部委託するのは問題ではないかという点。実際に、各事例でも最終権限は自治体の職員に権限を留保したうえで、システムを導入している。しかし、一方に、職員のスキルが育たないのではという指摘もあった。
Q:確定申告会場にいくと、ITベンダーからの派遣職員が多い。申告期間は一か月なので、そうしないと仕事が回らない。ここでもベンダーにナレッジが蓄積されている。一方で、機微な個人情報が漏れる心配もあるが?
AM:本日の総務事務センターの事例は、あくまで内部事務であり、職員の事前同意を得るというのが前提になっている。
大規模自治体と中小自治体の相違について
Q:大きな自治体の方が、財政が豊かである。一方、提供する必要がある住民サービスの多くは規模に関係しない。小さな自治体は、貧しい中で住民サービスを提供する必要がある。そこに、標準化と効率化のニーズがあるのではないか?
AM:仰るとおり。クラウドの発想の原点である。オールインワンのパッケージを中小自治体は利用する。一方で、30万人規模以上の大きな自治体にとっては、対応するパッケージがほとんどないため、自らがシステムを作っているケースもある。今後は、大規模自治体と、周辺自治体と共同利用するといった考え方もある。
AM:小さい自治体は、パッケージに自治体の側が業務を合わせる。一方、大きいところはパッケージをカスタマイズする必要がでる。大きなところは情報処理の専門職もいる。ある政令市にお伺いすると、7割パッケージ、3割カスタマイズといった姿になっているとのことだった。
Q:人口20万人以下であれば、一つのベンダーに統一するなど、思い切ったこともしても良いのではないか? ベンダーロックインは悪いという話もあるが、住民サービスの向上という実態がでるのであれば認められるのではないか?
AM:ある県の場合、今は三つぐらいのグループがあるが、県単位でまとまるのが良いのではないか。また、県をこえた事例も出ている。将来的にはもっと効率化を進めるために、技術革新をベンダーで競うようになるのがよい。今後は、クラウド化した後の次の更新時におけるベンダー間の競争環境の確保が重要な課題になってくると考えられる。
MS(回答、松下):良いベンダーロックインはパートナーシップ。小さな自治体だと専任職員が少ない。そのなかで効率よくするためには、オールインワンパッケージを導入した方がよい。ただし、ベンダー切り替えはできるようにしておかなくてはならないが。
C:行政事業レビューで、ある省の国家機密にかかわるシステムについて、外部評価委員が一般競争入札よりも随意契約にすべきと主張したことがある。ベンダーロックインも、悪と決めつけるのではなく、一つ一つよいか悪いかを考えるべきだ。
将来的な拡大について
Q:総務省の公会計システムが共同利用の道筋をつけるのではないか?
AM:例えば、共通番号制度では、国が中間サーバーのソフトウェアを作り、自治体みんなで使うことになったと聞いている。
MS:公会計システムは、保守年限は3か年という調達条件であり、本格導入するための試験のような位置づけにすぎない。まだ、しばらく時間がかかるだろう。
Q:施行規則などを数式で書くことについて、数式は横書きで。法律は縦書きである。まず、そういうところを変えるべきではないか?
MS:これは数式だけでなく、施行規則が現場の運用に落ちていないことが問題である。施行規則を作る段階から、現場担当者やベンダーが参加することが有効である。
Q:法令にIDをふっていただけないか? 自治体の側も、条例・ガイドラインに法令IDを付けて繋げておけば、更新の必要性がすぐにわかる。神奈川県の自治体が自らのウェブサイトを調査したら、半分ぐらい期限切れの情報だったという話もある。IDでコンテンツ管理すべきではないか? 法律にも、省令にもすでに番号がついているというが、電子化されていないし、IDにしてもらえれば、法令から条例までをツリー構造でコンテンツ管理できるではないか?
AM:以前に法律案を作る仕事をしたことからも、必要性は理解できる。
Q:同一の業務について、システムを一つにするより、ベンダー間で競争させ、同一の業務に関するシステムは二つ存在あるというようにしたほうが、BCPの観点で有益ではないか?
AM:国会議員の先生から何時も言及されるのは、全国二か所の中間サーバーの事例である。基幹系でも、まずは県レベルでまとまってもらってシステムの共同利用の実施を検討すべき。その状況を全国規模で眺めれば、競争が維持されていることになる。
Q:今回の報告書は、現実的だし、正しいことを主張していると思う。なぜ12年をたたないとこういうものがでてこないのか考え直す必要がある。昭和時代からの慣性が強すぎる。自治体も団塊世代が退職すると急激に職員数が減少し、外部委託しないとまわらなくなっている。研究会の報告書をどう推進するのか?
AM:例えば、自治体クラウドは、平成22年頃から本格的に始まったものであり、自治体の取り組みだけでなく、ベンダー側からのクラウドサービスの提供が必要であり、官民連携が欠かせない。今後の報告書の推進については、地方公共団体に策定をお願いしている情報化推進計画等に標準化の施策も必ず入れていただきたいと考えている。今後、進捗状況をフォローアップしていく。自治体における標準化に関する推進団体があった方がいいのではとも、有識者から言われている。
日時:2月17日(火曜日) 午後6時30分~8時30分
場所:東洋大学大手町サテライト
司会:山田肇(東洋大学経済学部教授、ICPF理事長)
講師:樋渡啓祐(樋渡社中(株)CEO、前佐賀県武雄市長)
冒頭、樋渡氏は次のように講演した。
ついで、司会の山田氏が次のようにコメントした。
その後、以下に要約する質疑応答があった。
実践されている教育プログラムについて
Q(質問):英語のみのプログラミング教材もあるが、使用する予定はあるか?
A(回答):英語で書かれた教材を用いることは、良いことだと思う。英語とプログラミング教育との組み合わせはありうる。
Q:スマイル学習を、算数と理科にした理由は?社会でも、例えば、北海道の生活を児童に見せるといったことが扱えると考えられるが?
A:国語では音読で使うといったように、科目ではなく、教育内容によって扱うことが可能であろう。算数と理科にしたのは、教育内容がスマイル学習に最も適していると考えたからである。最初は抵抗があったが、検証し、確認しながら徐々に拡げていく考え方を取っている。
Q:武雄市のICTコンテンツは障害者向けの、アクセシビリティに配慮しているのか?
A:ハンディキャップを持った児童へのデジタル教育の親和性の高さは感じているので、これから進められると思う。
教員の反応などについて
Q:教員に必要なICTスキルはどのように身に付けさせればよいか?
A:民の役割と期待する。特に、30~40代の現職教員のケアをすることが大事である。
Q:導入の際、教員の負担と負担感はどのように配慮したのか?
A:負担と負担感は分けて考えている。例えば、報告書類を削減したりして、負担は削減している。教員の負担感は、児童が喜ぶ・理解する反応を見ていくうちに解消していく。教員は、子供たちの成長を心から願っているからだ。
コンテンツの扱いなどについて
Q:各国は、プラットフォームを重視している。教員が実施する教育内容を全部まとめて公開することで、他の教員も戸惑わずに導入することができると考えられるが?
A:武雄市では、教材を全て公開する予定である。これは、公教育の使命であると考えている。クラウド環境で、自由自在に修正していければよい。日本人は格付けを好むので、食べログのように教材に格付けを行うことも考えている。
Q:学校図書のデジタル化についてどう考えているか?
A:学校図書のデジタル化は、図鑑などを除けば、進まないと考えている。
政治行政について
Q:県知事が代わったことで、教育のICT化がスローダウンするのではないかという危惧があるが?
A:武雄市は、私の後継者が市長になっているし、先進的な成果を上げていけば、支持は得られるだろう。
Q:市長を務める上で、工夫されたことは?
A:大事なことは、ファンを増やすことである。ひとりでも多くのファンを増やしていくことで、彼らが「市長の言う通りやろう」と背中を押してくれる。
Q:オープンデータの扱いについて。エストニアのタリンでは、電子政府の導入で、コスト削減をしている。今後、日本でも同様に導入していくことは考えられるか?
A:日本とエストニアとでは人口数が違う。日本では、一斉ではなく、同時多発的にできるところからやっていくことが重要であると考えている。武雄市だけではパワーが足りないと感じるので、オープンデータの取組に関しては、千葉市や福岡市といった田の起訴自治体と共に行ってきた。参加したい自治体がどんどん増えていけばよい。
日時:2月4日(水曜日) 午後6時30分~8時30分
場所:東洋大学白山キャンパス5号館5103教室
文京区白山5-28-20
司会:山田肇(東洋大学経済学部教授、ICPF理事長)
講師:上松恵理子(武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部准教授、日本デジタル教科書学会顧問)
冒頭、上松氏は資料を用いて次の通り講演した。
講演の後、以下の事項について質疑討論が行われた。
デジタル化教育と投資回収
Q(質問):クイーンズランド州では、50人の教員に対して各3名のスタッフを付けているが、費用負担はどうなっているのか?
A(回答):教材開発費用は州が負担している。国が豊かだからではなく、「投資する」という考え方で教育にお金をかける。将来、国を支えていく人たちに、教育を受けさせたいという気持ちが強い。
Q:人材育成は投資とのことだが、投資回収プランはあるのか?
A.:デジタル教材を作成するC2Cのスタッフやメディア、ゲーム関係に就職する。投資回収といった視点でICTが苦手な仲間を指導する「メンター」と呼ばれる生徒にインタビューをしたところ、米国のGoogleに就職したいという回答があった。グローバル化した世界では、自国だけに教育投資を還元するシステムにはならないだろう。
Q:BYODについて。端末を買うことのできない低所得層の家庭が多い学校には一斉配布するという話だが、学校によって受けられる教育の差はあるのか?
A:国策で、ICT教育を行わなければならないとされている国は、低所得層の多い地域の学校については、BYODにできないため、学校側がまとめて購入している。国がICT教育をカリキュラムで義務付けている場合は、どのカリキュラムでどの動画を見せるかといったマスト項目が決まっていることが多いので、ICT機器は使わなければならない。所持端末数に関しては地域差がある。例えばスウェーデンの比較的富裕層の多い地域の子どもたちの中には、1人3台くらい所持しているため、自分の端末を全部学校に持って来る生徒児童もいる。
Q:教材は、OSに依存しないのか? BYODに対応できるのか?
A:BYODを推進する国では、OSに依存せず、どの機種でも使えるように、カリキュラムの標準化進み、それに従い教材が作成されている。
Q:諸外国では、デジタル端末に対する仕様上の要求はあるのか?
A:型にはまった要求がほとんどない国が多く、教師が仕様に関わりなく自由に使うことのできる国も多い。日本からみると要求がほとんどない国もあり自由度が高く驚くかもしれない。そこにこだわるのではなく教育の内容が重視される。
プログラミング教育
Q:プログラミング教育導入が、小学校1年生で導入した児童と2年生導入した児童とでは違うというのはどういうことか?
A:プログラミング教育は、コードを黙々と書かせる授業形態ではない。色々な教育ソフトを使い、論理的な思考を身につけることができるものである。こういった授業を通して、コンピュータの仕組みを理解するようになるだけでなく、全ての考え方や発想を論理だて創造したり理解したりすることに繋がる。早期教育の利点を活かした例は他にもある。オーストラリアでは、外国語を使って算数などの授業を行うプログラムがある。日本の中学校では、英語の授業で英語を教えるが、他の教科において、英語を使って勉強することはほとんどない。そういった外国語バイリンガルプログラムを行う背景には、早期に他国語で学習することが、脳の発達によいという研究からであると、インタビューを行った際に言われた。
Q:見たら感じる差、試験結果から見える差はあるのか?
A:見たら感じる差は、まずはキーボードタッチ等の操作。また、成績データを見ても違いが出ている。小学校低学年は脳がどんどん発達する段階であるため、色々なことをあらかじめ小学生くらいにやらせておくのがよいといわれている。音感なども、大人になってからはもう手遅れだといわれている。
Q:プログラミングはどれくらいの時間をかけるのが理想的か?
A:義務化されている国は、最低週1時間行っている。理想は、週2時間といわれている。
デジタル化の負の側面
Q:小学生の段階からメールアドレスを持たせることで、いじめ等のネガティブなことは起きているのか?
A:クイーンズランド州では各教室に、「ネットいじめは許しません!」というような張り紙がぺたぺたと貼ってあった。オーストラリアでは、個々の児童に与えられるIDによって、誰の発言なのかわかるようになっていることを子どもたちも認識していて、ネットでいじめをすると足がつくというのはわかっているのでやらない。
わが国への示唆
Q:日本の遅れをずいぶんと感じたが、どのようにしたら追いつけるのだろうか?
A:先進国だけについて講演したのでそういう遅れを感じるかもしれないが、日本の子どもたちの方が、家ではゲーム、スマートフォンでソーシャルゲーム等を上手く使いこなしている例も少なくない。ゲーム機やスマートフォンの普及率をみても、日本の学校でICT機器を有効的に取り入れたら、すぐに使いこなせるようになるだろう。
Q:作文でWordを使う際、スペルミスは自動補正する機能がある。これを悪いと思うのか?良いと思うのか? 日本は漢字を書いて覚えなければならないが、最近は、文字を入力したらわかる。こういったことはどこまでICTで行うべきか?
A:インターネットで検索さえすれば正しいスペルも語句の意味も出てくるので、とにかくICT教育を行うことを優先し、全部のスペルを覚える必要性はないと考えている教師や国もある。スペルを覚えるよりも、どこのサイトで何を検索すればいいのかを知ることが大切であるという考え方である。また、教員がみるよりも、Wordの方がアンダーラインでミスが表示されるため、見落としがないという教師もいた。デジタル端末でいつでもどこでも学習できる時代になった場合、家庭で学習できることは学校では行わないといった考えの学校もある。せっかく子どもたちが集まっているのだから、グループワークを実施すべきであるという考えからである。その方が一人で勉強したよりも知識の定着率が高いというデータもある。もちろん、個の学習をしっかりさせた上で、恊働学習、アクティブラーニングを実施しないとグループワークは成立しない。ちなみに、デンマークのある小学校を訪問した際、学校で知識を学ぶ時代ではないと言われた。
Q:BYODでデジタルを使わないといけないというデンマークのような全国一斉の決まりにすることは、国民を縛るということになるが、国民に納得してもらうために、どのような論理展開をしたのか?
A:どんな社会人に育てるかという教育が、北欧の教育現場では基本となっている。例えば、今は、パソコンを使わないと就職活動ができない時代である。このような社会的背景から、小学校では何をしたらよいのだろうか?ということを遡って、どんどん今の時代に必要なことを学習内容に取り入れるのである。大人たちがやっていること、問題が起きていることについて、時代に対応する術を教え込んで行く必要性があるだろう。カリキュラムを作るときにも、ただ知識を学ぶ詰め込み型や何を習得するかという古典的なスキルの育成を目標とするものではなく、このネット社会に生きるために何がどう必要なのかを考えてカリキュラムを作り、新教科を作ることが先進国では行われている。日本は教科のしばりがあるが、目標に応じて、教科もカリキュラムも変えていくこともこれからは必要だろう。例えば、北欧では、学習指導要領を少なくする方向にあり、教員による裁量を大きくしている。
Q:日本の小中学校が複合的な科目に切り替えるとなったら、教員は対応できるのか?
A:日本の教員は、教科別に採用される。今現在、情報科の科目では採用が少ない。情報の授業も先進国に比べ少ないので、生活科や総合学習の中でもっと長時間対応しないと厳しいかもしれない。日本の教育は、この科目でこれを教えなければならないといった考えだが、逆に、何を教えなければならないか、それをどの教科でやっていくべきかという逆算で考えていくべきである。その発想からすると合科という選択肢も出てくる。
Q:21世紀を生きる子どもたちに必要な教育が何かについて、各国で共通理解があるのか?
A:どこの先進国に行っても、21世紀スキルに対応した教育が行われ、日本の教育現場よりも、理解と実践が多いと感じる。例えば、Microsoft等の会社が、21世紀スキルをつけるための無料提供等を行っている例もある。日本は大学でさえ、「社会で実際に使うことのできる能力」を教育していないとの批判を受けている。大学においてはもちろん、それが全てではないが、少しでも社会に出て役立つものも学んで行くべきという考え方もある。学校教育の役割を見直さないと、企業の側にも支障がでてしまい、国も成り立っていかないのではないかという危機感が、比較的規模の大きくない国にはある。
Q:教育改革は、何をどうしたら少しでも変わると考えられるか?
A:まずは教師教育を変えなければならないだろう。これまでは教員教育も一斉教育が多かった。しかし、教師教育においても、興味別、能力別、教科別といったグループワークを、少人数で行う必要がある。また、国のカリキュラム編成も時代に沿って変えるべきであるので、小中連携、高大の連携がひとつのチャンスではないだろうか。デジタル教科書を入れても成績が上がらなかったという見方があるが、それは、従来型の知識注入型テストでやっているからである。21世紀型スキルを測るPISAのようなテストを行えば、結果も変わるだろう。アダプティブテストのように、回答時間や正解度によって、次に出てくる問題が変わる形式のテストをナショナルテストとして実施している国もある。しかし、他国を真似るのではなく、日本がどういった人材を育成したいか。また、日本の企業がどのような人材を求めるのかを遡って考え変えていくことが大切である。
Q:なぜ、他の国は変われたのか?
A:日本は、学校導入する際、反対勢力があってなかなか厳しいという状況があったと聞いている。しかし使わなければリテラシーは高くならない。これはネットいじめがあったからもあるだろう。各国、トップの人たちが、先の先まで考えた制度を、お金をかけて作っている。お金のかけ方が日本とは全然違うし、国の危機意識も違う。