投稿者「ICPF」のアーカイブ

電波 光の道と電波の道 松本徹三ソフトバンクモバイル副社長ほか

概要

原口総務相の提案した「光の道」構想は、日本の今後の通信政策に大きな影響を与える政策として反響を呼んでいます。これに応じて通信各社も提案を出し、NTTの再編をめぐる議論がにわかに活発化してきました。
中でも、ソフトバンクの「アクセス回線会社」案は、光ファイバーをNTTから分離して各社と統合し、5000万世帯の銅線を全面的に光ファイバーに取替えるという大胆なものです。同社は、これによって全世帯にブロードバンドが月1400円で可能になると主張していますが、本当にそれは可能でしょうか。また望ましいことでしょうか。
他方、情報通信審議会の周波数割り当てをめぐる議論も大詰めを迎え、こちらでは日本独自の周波数割り当てをクアルコムやエリクソンなどが批判しています。特にテレビ局がほとんど使っていない770~806MHzをモバイルに開放するかどうかが争点になっています。
日本経済の成長のためにブロードバンドの通信インフラ整備が必要だという問題意識は共通ですが、その方法論にはいろいろ議論があります。そこで今回、情報通信政策フォーラム(ICPF)ではライブドアの協力を得て、この「光の道」構想をめぐってUstreamで緊急中継します。 続きを読む

電波 新たな時代の電波とメディア・コンテンツ政策 夏野 剛慶應義塾大学大学院特別招聘教授ほか

概要

主催 特定非営利活動法人 情報通信政策フォーラム(ICPF)
協賛 IEEE TMC Japan Chapter、コンテンツ学会、慶應大学SFC研究所プラットフォーム・デザイン・ラボ

情報社会への移行を阻む大きな障壁の一つが既存の制度です。わが国には情報通信が今のように発展する前に形作られた法律・規則・慣行などの制度が多く残り、それが情報通信技術をフルに活用する社会への転換を阻んでいます。
ICPFでは「改革を阻む制度の壁」と題してこの半年間セミナーを連続して開催し、在日米国商工会議所から提言を発表していただいたほか、コンテンツ流通、遠隔健康・医療、政治活動、遠隔教育に関わる制度問題について専門の方々のお話をうかがってきました。
今回は、その最終回として「新たな時代の電波とメディア・コンテンツ政策」についてシンポジウムを開催します。
日本は固定のブロードバンドや携帯電話の普及率で世界の最先端を行く通信インフラ国家です。しかしながら、技術の標準化や周波数割り当てにおいてグローバルマーケットから孤立しつつあり、”ガラパゴス化”した国内市場を相手にするだけでは今後も成長し続けることは不可能です。また諸外国では、日本を上回るスピードでサービス、アプリケーション、コンテンツ分野で多くのイノベーションが起きており、事業者と消費者の両方が便益を得ています。国際競争力強化などの名の下に逆にグローバルマーケットから日本を切り離す結果となっている消費者視点不在の政策は、日本の消費者がグローバルな技術やサービスの恩恵にあずかることを妨げています。また放送分野においては日本特有なビジネスモデルや慣行と、それらと補完関係にある著作権政策などの諸政策のあり方により、通信分野との相互乗り入れによる新たなサービスの提供が難しくなっている状況があります。
本シンポジウムでは、産業界・学会・法曹界から有識者にご登壇頂き、情報通信産業の将来の成長を見据えた上で、現在の制度・政策の問題点、および電波オークションの導入やコンテンツの国際化、マルチユースを前提とした著作権のあり方など、これまでの政策論議の枠組みにとらわれない、新しい政府のあり方や現実的、かつ具体的な解決策を議論していきます。
年度末の忙しい時期ですが、ふるってご参加いただけますようお願い申し上げます。 続きを読む

教育 改革を阻む制度の壁:ネットと教育 川原洋サイバー大学IT総合学部教授

概要

情報通信政策フォーラム秋季セミナーシリーズ
『改革を阻む制度の壁』-IEEE TMC Japan Chapter 協賛-

情報社会への移行を阻む大きな障壁の一つが既存の制度です。わが国には情報通信が今のように発展する前に形作られた法律・規則・慣行などの制度が多く残り、それが情報通信技術をフルに活用する社会への転換を阻んでいます。
他国では遠隔教育も当たり前のことになりつつありますが、わが国ではまだ広く利用されるには至っていません。ネットによる教育は、とくに社会人のスキルアップ・再教育に有効と思われますが、これに先進的に取り組み、サイバー大学の設立・運営に苦労されている、川原 洋氏にご意見をうかがうセミナーを開催することにしました。

<スピーカー>
川原洋氏(サイバー大学IT総合学部教授)

<モデレーター>
山田肇(東洋大学教授・ICPF副理事長)

講演資料

 

「100%ネット大学のチャレンジ」

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質疑応答

川原洋氏より「100%ネット大学のチャレンジ」と題しての講演があり、その後質疑応答が行われた。質疑応答の概要は次のとおりである。

学生に対する指導に関する質疑

Q:放送大学の修了率は5%という話もあるというが、サイバー大学はどのくらいを目指すのか
A:一期生には、最初の入学者・卒業者という看板を求めたものもいるようで、ドロップアウト率は高そうである。二期生以降は大丈夫そうで、最終的なところはわからないが出席率は90%にも達している。これはメンターを置いた効果だと考えている。メンターはネットでつながっている主に大学院生や社会人で、学生の履修状況をモニターしたり、必要に応じて激励したり、相談に乗ったりする仕事をしている。メンターが側面支援することで満足度も上がっている。文部省からもメンターをしっかり整備しろといわれたのでがんばった。
Q:メンターは有償か?
A:謝金を支払っている。1日3時間、週5日目を目安に働いてもらっている。
Q:一科目あたりの受講人数は?
A:最大は250。20から30人ぐらいが多い。
Q:250人では親密な指導はできないが?
A:メンターが25人に一人付いている。ここにもメンターの重要性がある。

講義方法などに関する質疑

Q:学生とのディベートはどうやって行うのか?
A;テーマは教員やメンターが決める。各科目においてディベートは定型的に運用することになっており、シラバスに「○回発言しないと出席にしない」と書いている先生もいる。実施にはスレッドが残るウェブサイト上で討論することになる。
Q:対面だったら学生の反応を見て授業内容をその場で変化できるけど、オンラインではどうするのか?
A:授業設計のガイダンスとしては、全体レベルはできるだけ基礎的におさえ、落ちこぼれが出ないようにしている。飛び出て優秀な学生には個別の指導や追加の課題を提供することで学力差への対応を心がけている。授業コンテンツそのものの内容は、経験や実績にもとづいてメンテナンスしていきたい。
Q:ビデオは一期分を一気に撮るのか?
A:はい。60分授業が確保できるよう、長めに収録して編集する。オンデマンド授業の場合、無駄口や冗談が言えないので時間的な冗長性がない。編集に最低1週間はかかる。学生の反応を見ながら毎週変化させるのは、準備期間や編集コストなどから、教員負担、費用面からもまだむずかしい。

本人確認に関する質疑

Q:本人確認の方法と基準について法律には細かく明記されていない。文部科学省と交渉したのか?
A:官僚や審査委員と交渉はした。具体例はこちらが提示しないといけなかった。要は本人確認において、どのような不正が可能かという性悪説に立ってシステムと運用体制を整備してきた。海外在住の学生など、シンクロック(3G携帯による認証システム)が使えない学生向けの代替方法も提供するなど、文科省の半歩先を行くように提案して、今まで来ている。我々がテストケースになって基準ができ、次の大学へ同様の要件が課されているように思われる。なお、オンライン上のテストは、監視不可能だから、すべて持ち込みテストになっている。しかし、受験者を試験中もモニターしての本人確認するなど、厳格に行っている。
Q:海外の事例は調べたか?
A:調べたが、ここまで本人確認を厳重にやっているところはない。
Q:本人確認といっても双子は確認できないのでは?
A:確かにできない。しかし、通常の学習指導において、本人のレポートの質やレベルが変われば、読んでいればわかる。運営上の課題であり、学生との接触によってある程度解決できる(ソフト的な課題である)。

利用する機器に関する質疑

Q:受講はパソコンでするのか、携帯も利用できるのか?
A:パソコンである。
Q:ある程度の解像度が必要とか、決められているのか?
A:一般的な解像度がある、普通の画面であることを想定して特に指定はしていない。携帯でも受講できるようにしようと思ったが、文科省からPCによるeラーニングを前提に認可しているといわれて止められた。iPhoneでも可能だが、今はできない。携帯を利用する効果を実証し、学会等で報告し、その効果について広く認知された上で運用を文部省に認めてもらうというステップをとっていきたい。
Q:電車の中でも受けられるようになるといいが?
A:通信制大学においては、特に社会人学生は、隙間時間をいかに活用するのかが重要である。その点で携帯利用は将来の方向である。

著作権法との関係に関する質疑

Q:著作権法35条の問題(教育への著作物の利用)だが、民間の「著作権法第35条ガイドライン協議会」なるものの基準を守ろうというのはなぜか? 法律通り利用して、解釈は争えばよいのではないか?
A:よけいな議論を排除し、100%安全なところで運用するため、今の体制になっている。大学としても著作権について無駄な争いは避けたい。
Q:誰が作っても同じになるような図表などの教材でも作り直しているのか?
A:はい。すべて自分たちで作る。また、インターネットを雲で表現する図のように、しばしば利用される共通素材は学校のスタッフが作図し、教員に提供している。
Q:先人の教材を活用できないのでは?
A:教員が自分の言葉で書き直す。引用の時は引用ガイドラインに沿う。そして、許諾を得る、もしくは断りを入れておく。通常の著作物の扱いと同じである。
Q:世界遺産学部は遺跡の写真など大変だろうが、全部撮っているのか?
A:基本的に教員が撮影したものをつかっているか、使用許可を得ているもの。
Q:退任された先生の教材も使うのか?
A:許可してもらえれば使う。肖像権問題もあるのでダメといわれてしまったらダメだが。
Q:教材は法人の権利にしてあるのか?
A:配信コンテンツの権利は大学にあるが、その中でつかわれているパワーポイントなどのパーツは個々の先生のもの。先生方は自由に使われている。

情報アクセシビリティに関する質疑

Q:アクセシビリティの議論は出てこなかったのか?
A:出ている。サイバー大学のWebサイトは、以前全盲の先生がアクセシビリティ委員会におられたので、そのときのガイドラインに沿って視覚障害に対応している。あとは音声の文字化に対応できればよい。
Q:そういうことをやれ、という運動は起きてないのか?
A:まだ具体的な学生の要望は聞いていない。

学期制に関係する質疑

Q:3年で卒業できるとなっているが、年に32週履修して3年で卒業できるのか?
A:年32週しか講義は提供しないが、学期当たりの履修単位数をより多く取れば卒業できる。
Q:32週制で夏休み、春休みの期間は決まっているの? 社会人学生のなかには、春学期や秋学期に履修できない人もでると思うが?
A:休みは決まっている。社会人学生が多く、社会人には休みはいらないと思う。休み中に教養科目を集中講義して、学期中は専門科目に集中するなどトライしたいアイデアはあるが、なかなかむずかしい。クォーター制(10+10+10+5=三学期+集中)も検討したことがある。
Q:15週で一科目か? それとも年間30回の科目もあるのか?
A:教養科目などは短い回数で完了する。1単位8回授業で完了する。

サークル、設備などに関する質疑

Q:サークル・クラブについてサイバー大学はどう考えているか?
A:バーチャルなサークル活動は学内SNS上で行われている。関西地域などでは学生が定期的に集まって勉強会をやっている。サークルには大学はノータッチだが、地域担任制をしいており、公開授業をやったり、面談やったりして、リアルな接触を保っている。オフィスアワーを用意してskypeで会話もしている。
Q:体育館とか保健室とかの物理的基準があるという話を聞いているが?
A:特区で緩和されている。広い敷地とか教室などの建物が必要ないので助かっている。図書館と保健室は作れといわれたので作った。
Q:図書館はリアル? それともバーチャル?
A:両方ある。世界遺産学部の先生方がたくさん持っている本を寄贈してくれた。司書を入れて整理し、図書の目録をオンライン化し、貸し出しのリクエストを受けたら宅配で送る仕組みになっている。
Q.保健室もリアル?
A.リアル。ベッドもある。

特区制度に関する質疑

Q:特区制度で大学ができたが期限はいつまでなのか、ほかの地域に広げることができるのか。
A:特区の申請期限はあるが、一度認可された特区の利用期限はないと理解している。
Q:私の理解では、特区は成功すればどんどん広げていくものではないの?
A:現行法を遵守し、すべての授業をオンラインで行い、学位の正当性を担保するシステムや体制づくりは大変だと思う。

大学の経営に関する質疑

Q:外国ではネット大学がもっと作りやすいのは? 事例とかありますか?
A:日本は後進国。アメリカ、韓国は進んでいる。適用する法律も違うけれど、社会人学生へのインセンティブ、従って市場ニーズが全然違う。アメリカはもともと社会人学生が多いので体制が整っている。日本では会社に内緒で通っている学生もいるくらいだ。
Q:経営のパフォーマンスは?
A:まだ赤字。ソフトバンクのバックアップがあって維持している。企業の社会貢献的位置づけともいえる。短期間で成果がでるものではないということは経営側にも了解してもらっている。
Q:社会人学生は株主関連の会社からきているのか?
A:全然いない(笑)。ソフトバンクも奨励金を出しているけれどあまり入学してこない。
Q:学部の拡充は考えているのか?
A:まずは定員充足が先。気軽に学部は作れない。
Q:なぜ「大学」をつくったのか? 大学と大学院は違う。社会人は大学院で2年間専門的なことを学びたいと考えるのではないか?
A:まずは、大学に通えない人を通えるようにするという理念で大学を先行した。実際、高齢者、障害者、海外居住者なども学生になっている。
Q:講義の教材や動画はほかの大学にも売れるのではないか?
A:買ってください(笑)。大学はまず自分のところの教員を大事にするし、単位認定の問題でむずかしいだろう。通常の大学でなかなかeラーニングそのものが進まないのは講義が密室状態にあることが原因ではないか。サイバー大学ではすべての講義やシラバスがオープンなので、教室に授業参観者がいるような状態である。これも教材がよくなっていくのに役立っていると思う。

 

スケジュール

18時30分 開始
18時30分 川原洋氏 「サイバー大学が遭遇した制度の壁(仮)」
19時30分 質疑応答(モデレータ:山田肇)
20時30分 終了

<日時>
1月21日(木曜日)18:30~20:30

<場所>
東洋大学 白山キャンパス 5201教室(5号館2階)
・都営三田線「白山駅」A3出入口から徒歩5分
・東京メトロ南北線「本駒込駅」1番出入口から徒歩8分
・都営バス 草63系統「東洋大学前」バス停からすぐ

<参加費>
2,000円(資料費) ※ICPF会員は無料(会場で入会できます)

<定員>
50名 ※先着順。定員に達し次第、受付を終了いたします。

政治 改革を阻む制度の壁:ネットと政治活動 片山 さつき前自由民主党衆議院議員

概要

情報通信政策フォーラム秋季セミナーシリーズ
『改革を阻む制度の壁』-IEEE TMC Japan Chapter 協賛-

情報社会への移行を阻む大きな障壁の一つが既存の制度です。わが国には情報通信が今のように発展する前に形作られた法律・規則・慣行などの制度が多く残り、それが情報通信技術をフルに活用する社会への転換を阻んでいます。

インターネットは広く普及しさまざまな社会経済活動で利用されていますが、わが国では政治活動での利用が進んでいません。アメリカ、韓国などではインターネットが政治に強い影響を与えているのに、わが国でそれが進まないのはなぜでしょうか。
こうした状況を打開しようと、民主党は通常国会にネット選挙解禁法(公職選挙法の改正案)を提出する準備を始めています。そこでICPFとIMEは協力して、関係の方々にご意見をうかがうセミナーを開催することにしました。

主催 特定非営利活動法人 情報通信政策フォーラム(ICPF)
共催 特定非営利活動法人 マニュフェスト評価機構(IME)

<スピーカー>
嶋 聡氏(ソフトバンク社長室長)
高井 崇志氏(民主党 衆議院議員)
片山 さつき氏(前自民党衆議院議員、元自民党広報局長、千葉商科大学大学院教授)
松原聡(マニフェスト評価機構・東洋大学)
山田肇(情報通信政策フォーラム・東洋大学)

<モデレーター>山田肇(ICPF事務局長・東洋大学経済学部教授)

講演資料

 

嶋 聡氏(ソフトバンク社長室長)
「ネット選挙事始と最新情勢:ネット選挙立法提出者の戦い」

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高井 崇志氏(民主党 衆議院議員)
「ネット選挙法の準備」

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片山 さつき氏(前自民党衆議院議員、元自民党広報局長、千葉商科大学大学院教授)
「政治活動でのネットの活用:経験と直面した壁」

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山田肇(情報通信政策フォーラム・東洋大学)

「コメント」

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パネル討論

 

スケジュール

18:30 開始
18:30 嶋 聡氏(ソフトバンク社長室長)
「ネット選挙事始と最新情勢:ネット選挙立法提出者の戦い」
18:50 高井 崇志氏(民主党 衆議院議員)
「ネット選挙法の準備」
19:10 片山 さつき氏(前自民党衆議院議員、元自民党広報局長、千葉商科大学大学院教授)
「政治活動でのネットの活用:経験と直面した壁」
19:30 パネル討論(高井氏、片山氏、嶋氏、松原聡(IME)、山田肇(ICPF))
・政治活動でのネット利用を阻んできたものは何か
・民主党のネット選挙法をどう評価するか
・これからの政治活動はどのように変わっていくか
・情報通信産業にどのような影響を与えるのか など
20:30 終了

<日時>
12月18日(金曜日) 18:30~20:30

<場所>
丸ビルコンファレンススクエア Room 4(東京駅前・丸ビル内)
・JR線「東京駅」丸の内南口より徒歩1分
・東京メトロ丸ノ内線「東京駅」より直結
・東京メトロ千代田線「二重橋前駅」より直結
※詳しくはこちらをご覧ください。

<会場費>
2000円 ※ICPF会員、IME会員は無料(ICPFに関しましては会場でご入会いただけます)

<定員>
100名 ※先着順。定員に達し次第、受付を終了いたします。

<参加お申し込み>
こちらのフォームよりお申し込みください。
※フォームをご利用いただけない場合は、「秋季第4回セミナー参加希望」、本文にお名前、ご所属をご明記の上、infor@icpf.jp までメールにてお申し込みください。