シリーズ『ライツビジネスの未来を考える』
現在の著作権制度に対するニーズと、利用形態は日々多様化し、著作権に関わる人々も増え続けています。その中で、AppleやAmazonが「ライセンス契約」を交わす時代とどう向き合うのか、ネット時代に一早く対応できたJASRACモデルの応用は難しいのか、青空文庫の理念をどう受け継ぐか、……そうした話を産業論と政策論からどう見据えるのか。「ライツビジネスの現場における様々な著作権に対する向き合い方」について、事例毎にじっくりお話を伺うシリーズを開催しました。
第四回「デジタルに手触りを」:
最終回となる今回は、ここまでの流れを踏まえ、”政策論“と”産業論”の観点からのとりまとめと、この先について、知的財産戦略本部でも活躍されている中村伊知哉氏にお話を伺いました。
講師:中村伊知哉氏(慶應義塾大学教授)
モデレータ:山口翔(名古屋学院大学)生貝直人(国立情報学研究所)
日時:2014年01月08日(18時30分~20時30分)
開催場所:東洋大学白山キャンパス 5号館 5101教室
内容:
- デジタル時代に著作権法は適応していない。このシリーズで取り上げた多くの問題は、現行の著作権法が古すぎることによって生じた問題である。しかし、著作権法の改正を待つのでは時期を逸する恐れがある。著作権審議会は、フェアユース一つをとっても、小田原評定を続け、結論になかなか至らない。
- 改正を待つよりも、民間ベースで、関係者が納得する形で著作権処理を進めるのが適切である。それが、爆発するように増え続けるコンテンツを適切に管理していく、効果的な方法である。